2022年9月18日日曜日

植木仕事の在り方あれこれ


 秋になると、庭の手入れ時期が本格的にはじまってしまうから、残りの外構工事は来年にまわして、開業へ向けての事務作業を優先する。

 チラシも、自分でデータを作ってネット上で処理して制作すれば、印刷会社よりもだいぶ安くでき、部数も10部からOKだなんて、信じられない話だ。

 で、植木業界も、やはりネット社会にとりこまれているようだ。

 いろいろ他の植木屋さんはどう営業展開しているのかな、とスマホ検索してみると、

 (1)   ダスキン方式……つまり、職人のサラリーマン化。

(2)   プラットホーム方式……つまり、職人の派遣社員化。ネットシステムを構築して、ひとり親方に登録させ、営業成立したら、そのマージンをいただいて手広くやる、ということだろう。ウーバーイーツの個人配達員に近くなる。


生活するためには、そうした現今の生産構造に従わざるを得ない部分がいまや大きいだろう。東京の方では、まだ職人世界の地盤がなんとかもっているから、そうした新方式は参入できていないように感じる。

昔気質の職人世界は、自分たちが抑圧されてくるような下層社会的階級にあったから、その値段などシークレットにして、自分たちの世界を守っていくという閉鎖性がある。それを修正しより開かれた形にしていくこと自体には、賛同する。

 が、そんな新方式で失われていくのは、職人たちがお客と密に向き合ってきた人間関係だ。とくに植木職人、巷の庭師は、植木手入れだけが仕事などではなく、福祉的な世話人でもあった。サラリーマン化し派遣社員化ともなれば、客の顔をみながら、自分の裁量で値段や時間に融通をきかせるということもできなくなる。安くなるよう手っ取り早くと、客の話もじっくりと聞いている暇もない。もう、自由じゃない。

 生活がガツガツでもないならば、そうした風潮に抗って、次の時代のためにあり方自体をさらに新しくしていったほうがいいだろう。というわけで、仕事第一、みたいな高度成長、バブル期、そしてなおその時代への憧れで立て直そうとバイアスのかかっている経済合理化社会とは、べつの方向線を引いてみよう、と、独立したのだけど。

 明日は、そんな考えの一貫で、鴨川市の方へ、『土中環境』を書いた著者・高田宏臣さんの講義・実習(『よくわかる土中環境』出版記念 | 土中環境を改善するために、私たちができること (small-earth.org))へと参加予定だ。が、台風で、だいじょうぶかなあ?

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